トマトの育て方|夢印栽培30年

美味しいトマトをたくさん収穫するコツが満載!

ハサミの剪定は?

トマトの剪定や整枝をする時、
手で取るかハサミを使うか迷うことがあります(パプリカの例)

 

トマト栽培では、わき芽かきや摘心などの剪定作業が欠かせません。

ところが実際に作業する際、「手で取るべき?」「ハサミで切っても大丈夫?」と迷う方は少なくありません。

特にわき芽が大きく育ってしまった場合は、手で取るのが難しくなります。

トマトの剪定はハサミでもできますが、注意したいポイントがあります。

今回はトマトの剪定にハサミを使う場合のメリットや注意点を紹介します。


■ 基本は手で摘み取る

トマトのわき芽かきや摘心は、基本的には手で摘み取るのがおすすめです。

小さなわき芽であれば、指で軽く折るだけで簡単に取れます。

手で摘み取ると傷口が比較的小さくなり、乾燥も早く進みます。

傷口が早く乾けば病原菌が侵入しにくくなり、病気予防にもつながります。

そのため、家庭菜園では昔から「わき芽は手で取る」が基本とされています。


■ わき芽は小さいうちに取る

わき芽が大きくなってから取ろうとすると、手でもハサミでも傷口が大きくなります。

また、株が無駄な養分を消費してしまうため、生育にも影響が出ます。

理想的なのは5cm以下の小さいうちに摘み取ることです。

週に1~2回見回る習慣をつけると、大きくなりすぎる前に処理できます。

わき芽かきの切り口、遅いので大きいです、病気にもかかりやすくなります


■ ハサミを使っても問題ない場合

わき芽が太くなった場合や、茎が固くなった場合は手で取るのが難しくなります。

無理に引きちぎると茎まで裂けてしまうことがあります。

そのような場合はハサミを使っても構いません。

最近は家庭菜園用の小型剪定ハサミも販売されており、作業効率を重視して利用する方も増えています。

特に栽培株数が多い場合は、ハサミを使う方が作業時間を短縮できます。


■ 切れ味の良い刃物を使う

ハサミを使う場合は、切れ味の良いものを選びましょう。

切れ味が悪いと組織を押しつぶし、傷口が大きくなります。

できれば園芸用の剪定ハサミを使用するのがおすすめです。

また、太いわき芽の場合はカッターやカミソリのような薄い刃を利用すると、切り口がきれいになることがあります。

切断面がきれいなほど、傷口は早く乾きます。


■ 雨の日の剪定は避ける

剪定作業は晴れた日の午前中に行うのが理想です。

雨の日や湿度の高い日は、傷口が乾きにくくなります。

その結果、灰色かび病などの病気が発生しやすくなります。

どうしても作業が必要な場合は、切り口をできるだけ小さくし、風通しを良くしておきましょう。


■ 病気の株は最後に作業する

トマトの病気の中には、刃物を介して広がるものがあります。

そのため、病気が疑われる株は最後に作業するのが基本です。

葉に斑点がある株や、しおれている株を先に触ると、病原菌を他の株へ運んでしまう可能性があります。

健全な株を先に処理し、問題のある株は最後に処理するようにしましょう。


■ ハサミの消毒は必要?

家庭菜園では毎回厳密な消毒を行わない方もいますが、病気予防のためには消毒がおすすめです。

特に複数の株を育てている場合は、作業後にハサミを消毒しておくと安心です。

アルコールや園芸用消毒剤を利用すると簡単に消毒できます。

トマトだけでなく、ナスやピーマンなど他の野菜にも同じハサミを使う場合は、特に注意しましょう。

剪定作業後は刃物を消毒しておくと安心、ビストロン-10 鋏 刃物のウイルス消毒剤 


■ 手で取るかハサミか迷ったら?

迷った場合は、わき芽の大きさで判断すると簡単です。

・5cm以下
手で摘み取る

・5cm以上
ハサミや刃物を利用する

・茎が木質化して固い
無理をせずハサミを使う

無理に手で取ろうとして主茎を傷める方が大きな問題になります。

作業しやすい方法を選ぶことも大切です。


■ まとめ

トマトのわき芽かきや摘心は、基本的には手で行うのがおすすめです。

ただし、わき芽が大きくなった場合や株数が多い場合は、ハサミを使っても問題ありません。

大切なのは、切れ味の良い道具を使い、病気を広げないよう管理することです。

小さいうちにわき芽を処理し、株への負担を減らしながら育てていきましょう。

 

ミニトマト 花が咲いてから実がなるまで

 

第一花房の一番花、これを見ると安心と嬉しさが込み上げてきます

 

ミニトマトを育てていると、最初の花が咲いた瞬間から毎日観察したくなります。

「いつ実ができるの?」「あと何日で赤くなるの?」と楽しみにしている方も多いでしょう。

ミニトマトは花が咲いてすぐ収穫できるわけではありません。

受粉、結実、肥大、着色という段階を経て、ようやく収穫を迎えます。

今回は、ミニトマトの花が咲いてから実がなるまでの流れと管理のポイントを紹介します。


■ 花が咲いてから収穫までは約50~60日

ミニトマトは、開花から完熟収穫までおよそ50~60日かかります。

気温が高い時期はやや短くなり、春先や秋は長くなる傾向があります。

花が咲いてからしばらくは大きな変化が見られませんが、株の中では着実に生長が進んでいます。

 

房状に咲くミニトマトの花、収穫の楽しみを予感させます


■ 開花後に受粉が行われる

ミニトマトの花は黄色い星形をしています。

花の中には雄しべと雌しべがあり、基本的には1つの花の中で受粉が完了します。

風で揺れたり、昆虫が訪れたりすることで花粉が落ち、受粉が進みます。

ベランダ栽培や雨の日が続く場合は、受粉が不十分になることがあります。

そのような時は、花房を軽く指で弾いたり、支柱を軽く揺らしたりして人工授粉を行うと安心です。

人工授粉をすると、実りの確実性が増します


■ 花が散ったら結実の始まり

受粉に成功すると、花びらはしおれて落ちます。

初めて育てる方は、「花が落ちたから失敗した」と心配することがありますが、実は正常な変化です。

花びらが落ちた後も、ガクはそのまま残ります。

その中心部分が少しずつ膨らみ始めたら、結実成功です。

最初は直径2~3mm程度しかありませんが、日に日に大きくなります。

反対に、受粉できなかった花は、ガクごと黄色くなって落下することがあります。

花が散った後に小さな緑色の粒が残っていれば、ミニトマトの赤ちゃんができた証拠です。

*結実直後の幼果はとても小さいです


■ 結実後は少しずつ肥大する

結実した実は、最初のうちはゆっくり生長します。

毎日見ていると変化が分かりにくいですが、1週間もすると大きさの違いがはっきり分かるようになります。

開花から2~3週間ほど経つと、実らしい丸い形になります。

この頃は株も勢いよく生長するため、水切れや肥料切れに注意しましょう。

特にプランター栽培では乾燥しやすいので、朝の株の様子を確認する習慣をつけると安心です。


■ 緑色の期間は意外と長い

ミニトマトは、実が大きくなってもしばらく緑色のままです。

初心者の方は「なかなか赤くならない」と心配になりますが、これは正常な状態です。

実の肥大がほぼ終わるまでは、緑色の期間が続きます。

この時期にしっかり葉で光合成を行い、糖分を蓄積していきます。


■ 色づき始めると収穫は近い

収穫が近づくと、緑色だった実が黄色やオレンジ色を経て赤く色づき始めます。

色づき始めてから完熟するまでは比較的早く、数日から1週間ほどで収穫できることもあります。

房全体が同時に色づくわけではなく、日当たりの良い実から順番に色づくことも珍しくありません。

色づき始めたアイコ、楽しみです

 

収穫期に入ったアイコ、甘く皮も薄く仕上がり美味しいです


■ 花が咲いても実がならない原因

花が咲いても結実しない場合は、受粉不良が原因となることがあります。

高温や低温、長雨、日照不足などが続くと、花粉の働きが弱くなります。

また、肥料の与え過ぎによる樹ボケでも着果しにくくなります。

花が落ちる場合は、温度や肥料管理を見直してみましょう。


■ まとめ

ミニトマトは、花が咲いてから受粉し、結実して小さな実ができ、その後肥大と着色を経て収穫を迎えます。

開花から完熟まではおよそ50~60日かかります。

花びらが落ちても、中心部分が膨らみ始めていれば結実成功です。

小さな実が少しずつ大きくなり、赤く色づいていく過程は家庭菜園の大きな楽しみの一つです。

毎日の変化を観察しながら、収穫の日を楽しみに待ちましょう。

トマトのヘタが黄色くなる

トマトのヘタが黄色くなるのには、さまざまな理由があります

 

トマトといえば、赤い実と鮮やかな緑色のヘタを思い浮かべる方が多いでしょう。

ところが家庭菜園で育てていると、ヘタの一部が黄色くなったり、全体的に色が薄くなったりすることがあります。

「病気だろうか」「食べても大丈夫?」と不安になることもありますが、必ずしも異常とは限りません。

トマトのヘタが黄色くなる原因はいくつかあり、中には完熟のサインである場合もあります。

今回は、トマトのヘタが黄色くなる主な原因と対処法について紹介します。


■ 品種による違い

トマトには大玉、中玉、ミニトマトを含めて非常に多くの品種があります。

実の色や形だけでなく、ヘタの色にも品種による違いがあります。

一般的な赤色トマトは濃い緑色のヘタを持つことが多いですが、中にはやや黄緑色に見える品種もあります。

栽培している株すべてで同じような色をしている場合は、品種の特徴である可能性が高いでしょう。

この場合は病気や生理障害ではないため、特に心配する必要はありません。


■ 完熟のサインであることも

家庭菜園では、店頭販売用とは違い完熟まで待って収穫できます。

そのため、収穫直前になるとヘタの色が少し抜けて黄色っぽく見えることがあります。

特に果実全体がしっかり色づいている場合は、完熟に近づいたサインであることも少なくありません。

スーパーで販売されているトマトは流通期間を考慮して早めに収穫されるため、ヘタが濃い緑色のまま販売されることが多くなります。

家庭菜園で完熟収穫したトマトと比べると違和感を覚えるかもしれませんが、自然な変化であることも多いのです。

トマトが熟したらすぐ収穫すると、ヘタの変色は防げます


■ 肥料切れが原因の場合

長期間収穫が続くと、株は大量の養分を消費します。

特にプランター栽培では土の量が限られるため、肥料不足が起こりやすくなります。

肥料が不足すると、ヘタの色が薄くなったり、葉色が全体的に淡くなったりすることがあります。

また、新しい葉が小さくなったり、生育が鈍くなったりすることもあります。

ヘタだけを見るのではなく、株全体の状態を観察することが大切です。

葉色が薄くなっている場合は、追肥の時期を見直してみましょう。


■ 水切れによる変色

トマトは比較的乾燥に強い野菜ですが、水不足が続くと様々な不調が現れます。

その一つがヘタの変色です。

この場合は鮮やかな黄色というよりも、やや茶色がかった黄褐色になることが多いです。

葉がしおれたり、果実の肥大が止まったりする症状を伴うこともあります。

一度変色したヘタは元の色に戻らないため、水切れを起こさない管理が大切です。


■ 高温や日焼けの影響

近年は猛暑日が続くことも珍しくありません。

真夏の強い日差しによって、ヘタ周辺の色が抜けたように見えることがあります。

特に西日が強く当たる場所では、葉焼けや果実の日焼けと同時にヘタの退色が起こることがあります。

プランター栽培では鉢の温度も上がりやすいため注意が必要です。

猛暑期には遮光ネットを利用したり、午後だけ半日陰になる場所へ移動したりすると負担を軽減できます。


■ 病気の可能性

ヘタの変色は病気によって起こることもあります。

褐色腐敗病や灰色かび病などでは、ヘタ周辺が褐色になり、その後ヘタ全体が変色することがあります。

この場合は明るい黄色ではなく、茶色や灰褐色に近い色になることが多いです。

また、果実や茎にも変色や腐敗が見られることがあります。

ヘタだけでなく株全体を確認し、異常が広がっていないか観察しましょう。


■ 収穫しても大丈夫?

ヘタが黄色くなっていても、果実に異常がなければ問題なく食べられる場合がほとんどです。

果実全体が均一に色づき、触った時に適度な弾力があるなら収穫適期と考えられます。

一方、果実が柔らかく腐敗していたり、ヘタ周辺にカビが見られたりする場合は収穫を避けた方が良いでしょう。

ヘタの色だけで判断せず、実の状態も合わせて確認することが大切です。


■ 見分け方のポイント

・黄色っぽいが果実は正常
完熟や品種の特徴の可能性が高い

・葉色も薄い
肥料切れの可能性がある

・葉がしおれている
水切れの可能性がある

・茶色く腐敗している
病気の可能性がある

複数の症状を合わせて判断すると原因を見つけやすくなります。


■ まとめ

トマトのヘタが黄色くなる原因には、品種の特徴、完熟、肥料切れ、水切れ、高温障害、病気などがあります。

家庭菜園では、完熟による自然な変化であることも少なくありません。

まずは果実や葉の状態も確認し、株全体を観察することが大切です。

ヘタの色だけで異常と決めつけず、総合的に判断してトマト栽培を楽しみましょう。

 

トマト 茎にぶつぶつが?

トマトの茎に点々が? 病気でしょうか、生理障害でしょうか?


トマトを育てていると、ある日突然、茎の表面に白っぽいぶつぶつが出ていることがあります。

特に株元に近い部分で見つけることが多く、「病気ではないか」「虫がついたのでは」と不安になる方も少なくありません。

けれど、このぶつぶつは多くの場合、病気や害虫ではありません。

トマトが自分で環境に対応するために出している、生理的な反応であることがほとんどです。

今回は、トマトの茎にできるぶつぶつの正体と、注意したいケースについて詳しくご紹介します。


■ 茎のぶつぶつの正体

大玉トマトでもミニトマトでも、育てている途中で茎に白っぽい点々が出てくることがあります。

最初に見つけると驚きますが、多くの場合は病気ではありません。

このぶつぶつの正体は、実はトマトの根です。

トマトは通常、土の中に根を伸ばします。

ところが環境によっては、茎から新しく根を出そうとすることがあります。

これを気根といいます。

生え始めは表面に小さなぶつぶつのように見えるため、カビや病気と勘違いされることがあります。

触っても問題ありませんし、そのまま様子を見ても大丈夫です。

すべての株で必ず出るわけではありませんが、どの品種でも起こる可能性があります。


■ 気根は異常ではない

これは、トマトの気根、根っこです

 

気根が出たからといって、必ず問題が起きているわけではありません。

トマトは環境の変化にかなり敏感な植物です。

少しでも吸水や養分吸収に不安があると、自分で新しい根を作ろうとします。

これは植物が生き残るための自然な反応です。

最近は糖度を高めるため、水をかなり控えて育てる方法もよく行われています。

こうした水分制限栽培では、空気中の水分を取り込もうとして気根が出ることがあります。

この場合は特に問題ありません。

水耕栽培や養液栽培でも似たような反応が見られることがあります。


■ 水分不足で出ることがある

本来、トマトに必要な水分や養分は土の中の根が吸収します。

ところが根が十分に働けない状態になると、気根を出して補おうとします。

水分不足が続くと、この反応が起こりやすくなります。

最近は甘いトマトを作ろうとして、水をかなり控える方が増えています。

ただ極端な水切りをすると、株にかなり負担がかかります。

気根が増えている場合は、一度水分管理を見直してみてもよいでしょう。


■ 湿度が高くても出やすい

実は乾燥だけが原因ではありません。

梅雨時期や湿度が高い時期にも気根が出やすくなることがあります。

空気中の湿度が高い環境では、茎から根を伸ばしやすくなるためです。

そのため気根が多いからといって、必ず水不足とは限りません。

特に梅雨の時期に急に増えた場合は、湿度の影響も考えられます。


■ 問題があるケース

水も肥料も適度に与えているのに、大量に気根が発生する場合は注意が必要です。

根や土の環境に問題がある可能性があります。

根に障害が起きていたり、うまく吸水できていないことがあります。

生育が止まる、葉が黄色くなる、株全体が弱る場合は確認が必要です。

根腐れや病気が起きている可能性もあります。

茎が黒っぽく変色したり、柔らかく傷んでいる場合は別のトラブルを疑います。


■ 土が硬くなっている場合

土の状態も確認しましょう。

水はけが悪かったり、土が硬く締まりすぎると根がうまく伸びられません。

すると根の周囲まで十分に水分が届かず、水不足に近い状態になることがあります。

特にプランター栽培では、生育が進むと土がかなり締まりやすくなります。

根元から10cmほど離れた場所を軽く中耕すると改善することがあります。

生育半ばを超えると、土も締まってきますので中耕します


■ 接ぎ木苗は注意する

連作障害に強い接ぎ木苗でも気根は発生します。

ここで注意したいのが、穂木側から出た気根です。

接ぎ木苗は、病気に強い台木と、おいしい実をつける穂木をつないで作られています。

台木側は病気に強い性質を持っています。

そのため台木側の根が土に触れても問題は起きにくいです。

一方で穂木側は病気に弱いことがあります。

穂木から出た気根が土に触れると、本来避けたかった病気に感染する可能性があります。

もし穂木側から伸びた気根が土に届きそうなら、手で取り除いておくほうが安心です。


■ まとめ

  1. 茎のぶつぶつは多くの場合気根で病気ではない
  2. 水分不足や吸水不良で出やすい
  3. 梅雨など高湿度でも発生しやすい
  4. 土が硬く締まると根が弱りやすい
  5. 接ぎ木苗は穂木側の気根に注意する

トマト 農薬を減らすには?

元気なトマト苗をていねいに植え付けるのがスタートです

 

家庭菜園でトマトを育てる方の多くが、一度は悩むのが病害虫対策です。

トマトは人気の高い野菜ですが、実際に育て始めると病気や害虫に悩まされることが少なくありません。

とはいえ、できれば農薬に頼りすぎず育てたいと考える方も多いでしょう。

実はトマト栽培では、病害虫が出てから対応するより、最初から予防を意識することで農薬をかなり減らすことができます。

今回は、トマト栽培で農薬を減らすための考え方と具体的な予防方法をまとめました。


■ 予防がいちばん大切

トマト栽培で農薬を使う理由は、病害虫の被害を防いだり、発生後に被害を抑えるためです。

ただ、できれば薬剤を減らして育てたいと考える方は多いでしょう。

農薬を減らすために最も大切なのは、病害虫が発生する前の予防です。

すでに病気が広がった後では、どうしても薬剤に頼る場面が増えてしまいます。

家庭菜園でも実践できる予防方法は意外にたくさんあります。

まずは病気を出さない環境作りが基本になります。


■ 時期ごとの予防を考える

トマトの病害虫は、一年中同じように発生するわけではありません。

生育段階によって発生しやすいものが変わります。

例えば定植直後は、かいよう病やアブラムシが出やすくなります。

栽培中期では葉かび病が増えやすくなります。

栽培後半では灰色かび病や再びかいよう病が出やすくなります。

一方で疫病、コナジラミ、ヨトウムシなどは栽培期間を通して注意が必要です。

発生しやすい時期を知っておくと、効率よく予防できます。


■ 害虫を寄せ付けない

トマトによくつく害虫には、アブラムシ、コナジラミ、ヨトウムシなどがあります。

予防として効果があるのが銀線入りネットや反射マルチです。

飛来する害虫を避ける効果があります。

アブラムシやコナジラミは黄色に寄る性質があります。

黄色い粘着シートを近くに設置すると捕獲しやすくなります。

ヨトウムシは成虫が飛来して卵を産むため、防虫ネットで囲う方法も有効です。

もし発生した場合でも、箸や粘着テープでこまめに捕殺すると被害拡大を防ぎやすくなります。

放置すると一気に増えるため、毎日の見回りがかなり大切です。

 

アブラムシ、最初は少数でも放置すると爆発的に増えます


■ 疫病を防ぐ方法

疫病は栽培期間中いつでも発生する可能性があります。

気温がやや低く、葉が長時間濡れた状態が続くと発生しやすくなります。

症状は葉、茎、実など全体に出ることがあります。

水はけの悪い土、風通しの悪さ、窒素肥料の与えすぎが原因になることが多いです。

肥料過多に注意し、できるだけ株の周囲に湿気をためないことが予防につながります。


■ 青枯病は高温で増える

青枯病は気温が高くなる時期から増えやすくなります。

地温が30℃を超えると発生が増えるといわれています。

反対に地温が低い時期は根腐萎凋病が出やすくなります。

地温を上げすぎないために敷きワラはかなり有効です。

黒マルチを使っている場合も、その上から敷きワラすると地温上昇を抑えやすくなります。

最近は猛暑が続きやすいため、以前より地温管理が重要になっています。


■ 葉かび病を防ぐ

葉かび病は栽培中期に出やすい病気です。

最近は抵抗性品種も増えていますが、それでも発生することがあります。

葉かび病は株の勢いが落ちた時に発生しやすくなります。

特に3段目から4段目に着果する頃、株が疲れて樹勢が弱くなることがあります。

追肥のタイミングが遅れたり、水やりを控えすぎると肥料が効きにくくなります。

追肥後は極端に乾かしすぎないことも大切です。


■ かいよう病を防ぐ

かいよう病は栽培初期と後半に発生しやすい病気です。

原因菌は土の中に存在しています。

茎などにできた傷口から侵入します。

若い苗は組織が柔らかく傷がつきやすいため注意が必要です。

定植時は深植えを避けます。

地際の湿度を下げることも予防につながります。

曇りや雨の日に大きなわき芽を取ったり、摘葉したりすると感染しやすくなります。

こうした作業は晴れた日に行うほうが安全です。

 

曇りや雨の日にわき芽をかいたり整枝すると、その傷口から病気にかかりやすいです


■ 灰色かび病に注意

灰色かび病は栽培後半、気温が少し下がる頃に増えやすくなります。

灰色かび病は枯れた花や古い葉から発生することが多い病気です。

咲き終わった花ガラが実に残っていると、そこから発生することがあります。

役目を終えた葉は適宜取り除き、風通しをよくします。

湿度が高い環境では発生しやすくなるため、水の与えすぎにも注意が必要です。

株のスタミナが切れると花ガラが残りやすくなります。

肥料切れにも注意しましょう。

ただし勢いが強すぎると樹ボケするため、バランスが大切です。

 

トマトが着果しても安心しないときは、見回りをしましょう


■ さらに農薬を減らす方法

最近は病気に強い接ぎ木苗や耐病性品種も増えています。

最初から病気に強い苗を選ぶと管理がかなり楽になります。

バジルやマリーゴールドなどを近くで育てる方法を試す方もいます。

完全無農薬にこだわりすぎると、逆に株を弱らせることもあります。

まずは病気を出さない環境作りを優先しましょう。


■ まとめ

  1. 農薬を減らすなら予防を重視する
  2. 病害虫は時期ごとに発生しやすいものが違う
  3. 毎日の見回りで早期発見する
  4. 湿度管理と風通しをよくする
  5. 耐病性品種や接ぎ木苗も活用するとよい

トマト 実の先に葉が

トマトの実の先に葉が出て、どんどん育っているのは?

 

トマトを育てていると、実がついている花房の先から突然葉が出てくることがあります。

普通なら花房には花がつき、その後実が育っていきます。

ところが実の先から葉が伸びてくると、「病気では?」「突然変異?」と驚く方も多いでしょう。

実はこの症状、トマトからのかなり分かりやすい警告サインです。

今回は、実の先に葉が出る原因と対処法について詳しくご紹介します。


■ 実の先に葉が出るのは異常

トマトを育てていると、花房の先から葉が出てくることがあります。

本来トマトの花房の先端には花芽がつき、葉芽はできません。

そのため、花房の実より先に葉が出ている状態は正常とはいえません。

これは品種による違いではなく、どのトマトでも起こる可能性があります。

つまり株の状態が崩れているサインと考えたほうがよいでしょう。


■ 原因は窒素過多が多い

実の先に葉が出る症状は、窒素が多すぎる時に起こることが多いです。

窒素は葉や枝を育てるために必要な肥料成分です。

ところが必要以上に吸収すると、葉や枝を伸ばす力が強くなりすぎます。

その結果、本来花だけがつくはずの花房の先端から葉が伸びてしまいます。

特にミニトマトは草勢が強くなりやすく、この症状が出やすいことがあります。

雨が続いて土が常に湿っている時も、窒素吸収が進んで発生しやすくなります。


■ 樹ボケ状態になりやすい

窒素過多になると、トマト栽培では樹ボケという状態になりやすくなります。

樹ボケとは、実よりも葉や茎ばかり育ってしまう状態です。

株は大きく見えますが、収穫量が安定しなくなります。

病気にもかかりやすくなり、害虫も集まりやすくなります。

見た目が元気だから問題ないと思いがちですが、実は注意が必要な状態です。


■ 窒素過多のサイン

実の先に葉が出る以外にも、窒素過多にはいくつか特徴があります。

次の症状がないか確認してみましょう。

・葉や枝の色が濃すぎる

・生長点に近い葉が内側に巻く

・葉柄から葉芽が出てくる

・茎に茶色い壊疽(えそ)が出る

これらのどれかが出ている場合、肥料過多になっている可能性があります。

放置すると実がなっても味が薄くなったり、後半で急に収穫量が落ちることがあります。


■ 尻腐れ果が出ることもある

カルシウムを与えているのに、1段目や2段目で尻腐れ果が出ることがあります。

これはカルシウム不足ではなく、窒素過多が原因の場合があります。

窒素が多い状態ではカルシウム吸収がうまく進まなくなるためです。

苦土石灰を入れているのに症状が出る場合は、一度肥料バランスを疑ったほうがよいでしょう。


■ 葉を切るだけでは解決しない

こちらも実の先に葉が出てきています

 

実の先や葉柄の途中から出た葉芽は、根元から切っておきます。

そのままにすると葉がどんどん育ち、花芽までつけることがあります。

ただし葉を切るだけでは根本解決にはなりません。

原因である窒素過多を改善しない限り、また同じ症状が出ることがあります。


■ 肥料を見直す

まずは使っている肥料を確認します。

窒素分が多い肥料や、窒素中心の肥料はトマトには向きません。

リン酸やカリがやや多めの肥料が適しています。

また未熟な堆肥を大量に入れている場合も、分解が進んで窒素過多になることがあります。

古い土を再利用している場合も注意が必要です。

前作の肥料成分が残っていることがあります。


■ 水をやや控える

土に窒素が多く残っている場合は、土壌計測キットで確認できます。

窒素は水に溶けやすく、水分と一緒に吸収されます。

そのため水やりが多い状態では窒素過多が続きやすくなります。

トマトはある程度乾燥気味でも育つ野菜です。

しばらくは水やりを少し控えめにして様子を見ましょう。

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■ まとめ

  1. 実の先に葉が出るのは正常ではない
  2. 主な原因は窒素過多
  3. 葉ばかり育つ樹ボケ状態に注意する
  4. 葉を切るだけでは解決しない
  5. 肥料と水分管理を見直すことが大切

 

トマト 日当たり

程よい日当たりで熟していくトマトは、コクがありおいしさ抜群です


■トマトと日当たり

植物の発芽には光が必要なものと不要なものがあります。

トマトの種は発芽時に光を嫌う性質があるため、種まき後は土をやや厚めにかぶせます。

この点は意外と見落とされやすいので覚えておくと便利です。

では、発芽後の生長には日当たりがどのように関係するのでしょうか。

植物は太陽の光を利用して光合成を行います。

光合成では空気中の二酸化炭素と水から養分を作り出し、その過程で酸素が発生します。

トマトが元気に育つためには、この光合成を十分に行える環境が欠かせません。

そのため、トマトは日当たりの良い場所で育てることが大切です。

日照不足になると株が徒長したり、花付きや実付きが悪くなったりすることがあります。


■日当たりは重要?

トマトを光合成させるためにも日当たりは重要です。

日当たりの悪いところで育てれば、ひょろひょろとして緑色が薄いトマトが育ちます。

これは徒長と呼ばれる状態で、茎が細くなり、病害虫にも弱くなります。

また、花芽ができにくくなったり、花が咲いても落花しやすくなったりします。

逆に日当たりの良いところで育てれば、青々としてしっかりと赤い実が実るトマトが育ちます。

果実の肥大も良くなり、糖度も上がりやすくなります。

家庭菜園では、収穫量だけでなく味にも大きな差が出るため、日当たりの確保はとても重要です。

 

日照不足で徒長したトマト苗、今後の生育が危ぶまれる


■トマトは何時間の日当たりが必要?

トマトは、できれば一日を通してよく日が当たる場所で育てるのが理想です。

最低でも5時間~6時間程度、できれば6時間以上直射日光が当たる場所が向いています。

特に午前中から昼頃までしっかり光が当たる場所は、生育が安定しやすくなります。

ベランダ栽培の場合は、南向きや南東向きの場所が有利です。

半日しか日が当たらない場所でも栽培はできますが、収穫量は少なくなりやすいです。

ミニトマトは比較的耐えますが、大玉トマトは日照不足の影響を受けやすい傾向があります。


■トマトは日当たりが大好き

青々としてしっかりとしたトマトの樹を育てるには、日当たりの良い、風通しの良い場所で育てましょう。

トマトは光が当たらないと花が咲かなかったり、落ちたりしてしまいます。

また、わき芽を放っておくと、葉が覆い茂って日当たりが悪くなります。

そのため、わき芽かきはしっかりと行いましょう。

わき芽をかく=摘むことにより、日当たりと風通しの両方が確保できます。

特に梅雨時期は葉が込み合いやすいため、風通しの確保は病気予防にも効果があります。

葉が混み合うと下葉まで光が届かず、株全体の活力も低下しやすくなります。


■夏は日当たりだけでなく暑さにも注意

トマトは日光を好みますが、近年の猛暑では注意も必要です。

真夏に35℃を超えるような高温が続くと、花粉の働きが弱くなり、花が咲いても実がつかないことがあります。

また、プランター栽培では鉢の温度が上がりすぎて根が弱ることもあります。

日当たりは確保しながらも、敷きわらやマルチを利用して地温の上昇を防ぐと安心です。

西日が強烈に当たる場所では、真夏だけ軽く遮光する方法もあります。

日照不足は困りますが、高温障害にも気を付けながら管理しましょう。

 

日照が不足しても困りますが、真夏は暑さにも注意します


■直射日光と日当たり

直射日光と日当たりの違いは? と思いますが、多くの場合は一緒のものと考えて大丈夫です。

トマトは光、特に直射日光が当たるところで育ちます。

地植えはもちろん、ベランダでも室内でも、できるだけ直射日光が当たる場所で育てるのが良いですね。

ただし、室内の窓辺では光量が不足することもあります。

ガラス越しの日光だけでは、屋外ほど十分な光を確保できない場合があります。

家庭菜園でトマトを元気に育てるためには、まず日当たりを優先して栽培場所を選ぶことが大切です。