トマトの育て方|夢印栽培20年

実践的なトマト栽培方法を写真と図版でわかりやすく解説

トマト 農薬を減らすには?

元気なトマト苗をていねいに植え付けるのがスタートです

 

家庭菜園でトマトを育てる方の多くが、一度は悩むのが病害虫対策です。

トマトは人気の高い野菜ですが、実際に育て始めると病気や害虫に悩まされることが少なくありません。

とはいえ、できれば農薬に頼りすぎず育てたいと考える方も多いでしょう。

実はトマト栽培では、病害虫が出てから対応するより、最初から予防を意識することで農薬をかなり減らすことができます。

今回は、トマト栽培で農薬を減らすための考え方と具体的な予防方法をまとめました。


■ 予防がいちばん大切

トマト栽培で農薬を使う理由は、病害虫の被害を防いだり、発生後に被害を抑えるためです。

ただ、できれば薬剤を減らして育てたいと考える方は多いでしょう。

農薬を減らすために最も大切なのは、病害虫が発生する前の予防です。

すでに病気が広がった後では、どうしても薬剤に頼る場面が増えてしまいます。

家庭菜園でも実践できる予防方法は意外にたくさんあります。

まずは病気を出さない環境作りが基本になります。


■ 時期ごとの予防を考える

トマトの病害虫は、一年中同じように発生するわけではありません。

生育段階によって発生しやすいものが変わります。

例えば定植直後は、かいよう病やアブラムシが出やすくなります。

栽培中期では葉かび病が増えやすくなります。

栽培後半では灰色かび病や再びかいよう病が出やすくなります。

一方で疫病、コナジラミ、ヨトウムシなどは栽培期間を通して注意が必要です。

発生しやすい時期を知っておくと、効率よく予防できます。


■ 害虫を寄せ付けない

トマトによくつく害虫には、アブラムシ、コナジラミ、ヨトウムシなどがあります。

予防として効果があるのが銀線入りネットや反射マルチです。

飛来する害虫を避ける効果があります。

アブラムシやコナジラミは黄色に寄る性質があります。

黄色い粘着シートを近くに設置すると捕獲しやすくなります。

ヨトウムシは成虫が飛来して卵を産むため、防虫ネットで囲う方法も有効です。

もし発生した場合でも、箸や粘着テープでこまめに捕殺すると被害拡大を防ぎやすくなります。

放置すると一気に増えるため、毎日の見回りがかなり大切です。

 

アブラムシ、最初は少数でも放置すると爆発的に増えます


■ 疫病を防ぐ方法

疫病は栽培期間中いつでも発生する可能性があります。

気温がやや低く、葉が長時間濡れた状態が続くと発生しやすくなります。

症状は葉、茎、実など全体に出ることがあります。

水はけの悪い土、風通しの悪さ、窒素肥料の与えすぎが原因になることが多いです。

肥料過多に注意し、できるだけ株の周囲に湿気をためないことが予防につながります。


■ 青枯病は高温で増える

青枯病は気温が高くなる時期から増えやすくなります。

地温が30℃を超えると発生が増えるといわれています。

反対に地温が低い時期は根腐萎凋病が出やすくなります。

地温を上げすぎないために敷きワラはかなり有効です。

黒マルチを使っている場合も、その上から敷きワラすると地温上昇を抑えやすくなります。

最近は猛暑が続きやすいため、以前より地温管理が重要になっています。


■ 葉かび病を防ぐ

葉かび病は栽培中期に出やすい病気です。

最近は抵抗性品種も増えていますが、それでも発生することがあります。

葉かび病は株の勢いが落ちた時に発生しやすくなります。

特に3段目から4段目に着果する頃、株が疲れて樹勢が弱くなることがあります。

追肥のタイミングが遅れたり、水やりを控えすぎると肥料が効きにくくなります。

追肥後は極端に乾かしすぎないことも大切です。


■ かいよう病を防ぐ

かいよう病は栽培初期と後半に発生しやすい病気です。

原因菌は土の中に存在しています。

茎などにできた傷口から侵入します。

若い苗は組織が柔らかく傷がつきやすいため注意が必要です。

定植時は深植えを避けます。

地際の湿度を下げることも予防につながります。

曇りや雨の日に大きなわき芽を取ったり、摘葉したりすると感染しやすくなります。

こうした作業は晴れた日に行うほうが安全です。

 

曇りや雨の日にわき芽をかいたり整枝すると、その傷口から病気にかかりやすいです


■ 灰色かび病に注意

灰色かび病は栽培後半、気温が少し下がる頃に増えやすくなります。

灰色かび病は枯れた花や古い葉から発生することが多い病気です。

咲き終わった花ガラが実に残っていると、そこから発生することがあります。

役目を終えた葉は適宜取り除き、風通しをよくします。

湿度が高い環境では発生しやすくなるため、水の与えすぎにも注意が必要です。

株のスタミナが切れると花ガラが残りやすくなります。

肥料切れにも注意しましょう。

ただし勢いが強すぎると樹ボケするため、バランスが大切です。

 

トマトが着果しても安心しないときは、見回りをしましょう


■ さらに農薬を減らす方法

最近は病気に強い接ぎ木苗や耐病性品種も増えています。

最初から病気に強い苗を選ぶと管理がかなり楽になります。

バジルやマリーゴールドなどを近くで育てる方法を試す方もいます。

完全無農薬にこだわりすぎると、逆に株を弱らせることもあります。

まずは病気を出さない環境作りを優先しましょう。


■ まとめ

  1. 農薬を減らすなら予防を重視する
  2. 病害虫は時期ごとに発生しやすいものが違う
  3. 毎日の見回りで早期発見する
  4. 湿度管理と風通しをよくする
  5. 耐病性品種や接ぎ木苗も活用するとよい