トマトの育て方|夢印栽培20年

実践的なトマト栽培方法を写真と図版でわかりやすく解説

トマト 活着不良

 

トマトの苗を植え付けた後、ちゃんと根付くかどうか気になります、

シシリアンルージュの接ぎ木苗

 

トマトの苗を植えたあと、「なかなか大きくならない」「葉がしおれる」「元気がない」と感じることがあります。

こうした症状が続く場合、根がうまく伸びず、活着不良を起こしている可能性があります。

定植直後のトラブルは、その後の樹勢や収穫量に影響しやすいため、できるだけ早く原因を見つけることが大切です。

今回は、トマトの活着不良の見分け方と、よくある原因を順番に確認していきます。


■ 活着不良の症状

トマト苗を植え付けた直後は、数日間ほとんど変化がないことがあります。

ただし正常に根付いている苗なら、1週間ほどで新しい葉が伸び始め、わき芽も動き始めます。

まずは活着不良を起こしていないか確認しましょう。

・生育が著しく遅い

定植後、新しい葉やわき芽がほとんど出ない場合、根がうまく伸びていない可能性があります。

低温で一時的に遅れることもありますが、1か月近く変化がない場合は注意が必要です。

ある園芸店で安く入手したトマト苗、一生懸命世話をしましたが、蘇りませんでした

 

・葉がしおれる、変色する

活着不良では根が傷んでいるため、水分を十分に吸えなくなります。

その結果、葉が頻繁にしおれたり、葉先が茶色くなったり、葉全体が黄色っぽく変色することがあります。

ただし同じ症状は病害虫でも起こるため、葉裏や茎も一緒に確認しましょう。

シシリアンルージュ、活着して元気に葉を展開しています


■ 土の酸度を確認

トマトは土の状態によって根の伸び方が大きく変わります。

土が強い酸性、あるいはアルカリ性に傾きすぎると、根がうまく育ちません。

よく「苦土石灰を入れる」といわれますが、これはカルシウム補給だけでなく、酸性に傾いた土を調整する目的があります。

注意したいのは入れすぎです。

酸性土は問題ですが、石灰を大量に入れてアルカリ性になりすぎても、根の生育が悪くなります。

土づくりの時は入れすぎに注意しましょう。

最近は家庭菜園用の簡易酸度計も手軽に購入できるので、一度測っておくと安心です。


■ 水分管理の失敗

活着不良でかなり多い原因が、水の管理です。

・過湿

排水が悪く、土が長期間じめじめしていると、根が呼吸できず傷みます。

・過乾燥

逆に乾きすぎても根が傷みます。

水はけの良い土は大切ですが、砂地のように極端に乾きやすい土は避けた方が安全です。

深植えすると湿気がたまりやすくなります。

自根苗なら通常の深さ、接ぎ木苗なら1〜2cm浅植えが基本です。


■ 気温の影響を受ける

トマトは低温に弱い野菜です。

植え付け後に遅霜に当たると根の動きが止まり、活着不良になることがあります。

寒さが心配な時はホットキャップやビニールで保護しておくと安心です。

反対に高温も問題になります。

気温が高すぎる時期に定植すると、地温が上がりすぎて根が傷むことがあります。

特に近年は春先でも急に暑くなる日が増えているため、植え付けは涼しい時間帯を選ぶほうが安全です。

敷きワラや銀色マルチを使うと地温上昇を抑えやすくなります。


■ 肥料焼けに注意

根が肥料に直接触れると、肥料焼けを起こします。

傷んだ根は水や養分を十分に吸えなくなり、生育が大きく鈍ります。

元肥の入れ方はいくつかあります。

・土全体に混ぜ込む方法

・植穴に入れる方法

・溝を作って埋める方法

特に植穴に直接入れる場合は注意が必要です。

元肥のすぐ上に苗を植えると根が肥料に触れやすくなります。

必ず肥料の上に土をかぶせ、その上に苗を植えましょう。


■ 根を傷つけた場合

定植時に移植ゴテや手で根鉢を崩すと、植え傷みが強く出ます。

トマト苗を植える時は、根鉢を崩さないことが基本です。

ポットの土が乾いていると崩れやすいため、植え付け前にしっかり水を与えておくと作業しやすくなります。


■ 古い苗を選ばない

苗選びの時点で活着不良の原因を作ることがあります。

トマト苗の定植適期は、1段目の花がガク割れした頃から開花した頃が目安です。

早すぎると樹ボケを起こしやすくなります。

反対に植え付け適期を過ぎた老化苗は、活着が悪くなります。

次のような苗は注意してください。

・上の葉が小さく先細りになっている

・全体が三角形に細くなっている

・根鉢の根が茶色く傷んでいる

3号ポット苗では、地上部と根鉢のバランスを見ることも大切です。

少し離れて見て、株全体の幅が均一な苗を選ぶほうが失敗しにくくなります。

先端だけ細くなった苗は避けましょう。

購入前にはポットの底も確認します。

底穴から根が大量に出ていて、茶色く変色している苗は根が回りすぎています。

白くきれいな根が少し見える程度が理想です。

シシリアンルージュ、標準プランターで2株、樹勢が強めですが安定しています


■ まとめ

  1. 植え付け後1週間で新葉が出るか確認する
  2. 葉のしおれや変色は根の異常のサインになる
  3. 水やりの失敗は活着不良の原因になりやすい
  4. 肥料焼けや深植えにも注意する
  5. 苗選びの時点で老化苗を避けることが大切