トマトの育て方|夢印栽培20年

実践的なトマト栽培方法を写真と図版でわかりやすく解説

トマト 摘葉の方法とコツ

トマトは葉で光合成を行い、生長や果実の肥大に必要な養分を作り出しています

 

そのため、葉は多いほど良いと思われがちですが、実際はそうとも限りません。

葉が増えすぎると風通しや日当たりが悪くなり、病気や樹ボケの原因になることがあります。

そこで重要になるのが摘葉です。

適切な摘葉を行うことで、病気を予防しながら実付きや収穫量の向上も期待できます。

ここではトマトの摘葉の方法とコツ、失敗しないための注意点を紹介します。


■ 摘葉とはどんな作業?

摘葉とは、不要になった葉や混み合った葉を取り除く作業です。

わき芽かきほど知られていませんが、トマト栽培では重要な管理作業の一つです。

葉は光合成を行う大切な器官ですが、古くなった葉や込み合った葉をそのまま残しておくと、かえって株に悪影響を与えることがあります。

特に梅雨時期や長雨の季節は、葉が密集すると湿気がこもりやすくなります。

病気の予防という意味でも、適度な摘葉は効果的です。


■ 摘葉のメリット

・病気を予防できる

家庭菜園ではマルチを使わず栽培していることも多く、雨や水やりによる泥はねが発生しやすくなります。

土の中には病原菌が潜んでいることがあり、泥が葉に付着することで病気が広がる場合があります。

収穫を終えた果房より下の葉を取り除くことで、泥はねによる感染リスクを減らすことができます。

敷きワラやマルチと組み合わせるとさらに効果的です。

・風通しと日当たりが良くなる

トマトの葉は意外と大きく、生育が良い株ほど葉が混み合います。

葉が重なりすぎると風通しが悪くなり、湿気がこもります。

また、果房に十分な光が当たらなくなり、色づきや肥大が遅れることもあります。

摘葉によって株の内部まで光と風が届きやすくなります。

・過繁茂を防げる

葉が多すぎると光合成量が増え、株を大きくする方向へ養分が使われやすくなります。

その結果、葉ばかり茂って実付きが悪くなる樹ボケ状態になることがあります。

適度な摘葉は草勢の調整にも役立ちます。

 

樹ボケしたフルティカ、収量が激減します


■ 摘葉の基本的な方法

摘葉は葉をたくさん取れば良いというものではありません。

葉を減らしすぎると光合成量が不足し、実の肥大や株の生長に悪影響が出ます。

基本は必要な葉を残しながら整理することです。

・葉数は13枚~15枚が目安

一般的なトマトでは13枚~15枚程度の葉が残っていれば、光合成量として十分とされています。

多くの品種では1段ごとに約3枚の葉がつき、5段前後の果房が育っている状態で15枚程度になります。

葉が極端に多い場合は整理を検討しましょう。

・収穫後に摘葉する

1段目の果房を収穫し終えたら摘葉を始めるタイミングです。

収穫した果房のすぐ下の葉は残し、それより下の葉を取り除きます。

収穫が進むごとに、下から順番に整理していきます。

これが最も安全で失敗の少ない方法です。

摘葉して、葉を、もう少し整理すると実りが良くなります


■ 葉を切りすぎない工夫

樹勢が強く葉が多い場合でも、一気に葉を減らしすぎるのは避けます。

急激に光合成量が減ると株が弱ることがあるためです。

上級者の中には、葉を丸ごと取るのではなく、葉の半分から3分の1程度を切り詰める方法を使う人もいます。

こうすると光合成能力を残しながら風通しを改善できます。

特に樹勢が強い大玉トマトでは有効な方法です。


■ 黄化した葉は早めに除去

収穫前であっても黄化した葉は取り除いて構いません。

黄化した葉は光合成能力が低下しており、役目を終えつつあります。

そのまま残すと風通しが悪くなり、病気の温床になることがあります。

葉焼けや病気で傷んだ葉も、状態を見ながら整理すると良いでしょう。

シシリアンルージュは、樹勢が強く放任栽培ができます、

品種の性格を確認して手入れしていきます


■ 摘葉しすぎる失敗に注意

近年は動画やSNSで大胆な摘葉方法を見る機会も増えました。

しかし家庭菜園では葉を取りすぎる失敗も少なくありません。

葉が不足すると果実に直射日光が当たりやすくなり、日焼け果が発生することがあります。

また、実の肥大が悪くなったり、糖度が上がりにくくなることもあります。

最近の夏は非常に暑いため、猛暑地域では葉をやや多めに残して果実を守る管理も行われています。

摘葉は少しずつ行い、一度に大量の葉を取らないようにしましょう。


■ 摘葉する時の注意点

・晴れた日に行う

摘葉すると株に傷ができます。

雨の日は傷口が乾きにくく病気が侵入しやすいため、晴れた日の午前中に行うのがおすすめです。

・清潔なハサミを使う

病気の株に使ったハサミは消毒してから使用します。

病気を広げないためにも重要なポイントです。

・摘葉した葉の活用

健康な葉であれば株元に敷いてマルチとして利用できます。

乾燥防止や土壌改良にも役立ちます。

ただし病斑がある葉や害虫被害を受けた葉は処分しましょう。

全てを摘葉せずに、少しずつ必要に応じて摘葉します


■ 摘葉は少しずつ行うのがコツ

トマトの摘葉は、病気予防や通風改善、樹勢調整に役立つ重要な作業です。

ただし葉は光合成を担う大切な器官でもあります。

一度に大量の葉を取り除くのではなく、株の状態を見ながら少しずつ整理することが成功のコツです。

風通しと葉数のバランスを取りながら管理すると、健康な株を維持しやすくなります。

 

*イラスト:yuko haga(無断転載はご遠慮ください)