
ローマV.F
ローマV.Fは、生で食べるよりも加熱調理で魅力が際立つ加工用トマトです。
洋ナシのような形をした赤い果実は、肉厚でゼリー質が少なく、トマトソースやペースト、ケチャップなどに加工すると濃厚な味わいを楽しめます。
もう一つの特徴は、一般的なトマトとは違う株の育ち方です。主枝を高く伸ばすのではなく、わき芽を伸ばしながら横へ広がるように育つため、何度もわき芽を摘み取る管理とは少し違った栽培になります。
「育てたトマトを料理まで楽しみたい」という家庭菜園に向いた、個性のある調理用トマトです。
肉厚の果実を収穫して、ソースや料理まで楽しめる加工用トマト
■ ローマV.Fの基本情報
ローマV.Fは、加工用として世界的に知られている「Roma VF」というトマト品種です。現在も国内で種子や苗の流通が確認されています。
果実は70~80gほどの中玉サイズで、洋ナシ型に近い形をしています。完熟すると鮮やかな赤色になり、表面にはツヤがあります。
果肉は厚く、ゼリー質が少ないため、加熱調理に向いています。品種名の「V.F」は耐病性に由来し、Vはバーティシリウムによる半身萎凋病、Fはフザリウムによる萎凋病を示しています。
・果重:70~80g程度
・用途:加工・加熱調理
・果形:洋ナシ型
・果色:赤色
・特徴:肉厚・ゼリー質が少ない
・草姿:横に広がるタイプ
■ ローマV.Fの特徴|肉厚でゼリー質が少なく加熱調理に向く
ローマV.Fの大きな特徴は、果実の肉質です。果肉が厚く、ゼリー質が少ないため、一般的な生食用トマトとは違ったしっかりした果実感があります。
水っぽくなりにくい性質は、加熱調理で特に生きてきます。トマトソースやペースト、ケチャップなどに加工すると、煮詰めながらトマトの濃厚な味わいを引き出せます。
1段につく果実は5~7個ほどが目安です。ある程度まとまって熟した果実を収穫すれば、一度に加工する料理にも使いやすくなります。
生食もできますが、ローマV.Fは甘さを楽しむトマトというより、加熱してうま味を生かしたい品種です。収穫した果実を料理へつなげることで、この品種の個性がより分かりやすくなります。

肉厚で水分が少なく、ソース作りに向くローマV.F、ミートソースやパスタ料理に
■ ローマV.Fを育てて感じる魅力|収穫したトマトを料理につなげられる
ローマV.Fを家庭菜園で育てる楽しさは、収穫した果実をそのまま食べるだけで終わらないところにあります。
まとまって収穫できたときは、トマトソースやペースト、ケチャップなどに加工できます。自分で育てたトマトが、そのままパスタや煮込み料理の材料になるのは、加工用トマトならではの楽しみです。
もちろん、少量の収穫なら無理にソースへ加工する必要はありません。炒め物やスープ、卵料理に加えたり、ピザやパエリアなどの加熱料理に使ったりする方法もあります。
特にローマV.Fは、肉厚でゼリー質が少ない果実なので、火を通したときに果実の持ち味を生かしやすい品種です。家庭菜園で育てたトマトを「料理の材料」として楽しみたい方には、面白い選択肢になります。

ピザ・パエリアなどの加熱料理に最適です
■ ローマV.Fの育て方|横に広がる草姿を生かして地面を管理する
ローマV.Fは、一般的なトマトのように主枝を高く伸ばして育てるタイプではありません。わき芽を伸ばしながら株全体が横へ広がっていく性質があります。
そのため、一般的なトマトのようにわき芽を次々と摘み取る必要はなく、基本的にはわき芽を生かして育てます。ただし、最初の花房より下に出る不要なわき芽は摘み取ります。
横へ広がる分、栽培には十分なスペースが必要です。また、葉や果実が地面に近くなるため、泥はねや果実が土に触れることにも注意します。マルチを敷いたり、枝の下にワラなどを敷いたりすると管理しやすくなります。
わき芽を残して株を広げるため、株の生育を見ながら追肥を行います。V.Fの名前が示すように、半身萎凋病と萎凋病への耐病性を持つ品種ですが、耐病性があるからといって病害の心配がなくなるわけではありません。風通しや株元の状態を確認しながら栽培します。

マルチやワラによる泥はね対策をすると、病気にかかりにくいです
■ ローマV.Fの魅力まとめ|育てたトマトをソースに変える楽しさ
ローマV.Fは、甘いトマトを生で味わうことを目的にした品種とは少し違います。
70~80gほどの洋ナシ型の果実は肉厚で、ゼリー質が少ないのが特徴。収穫した果実を火にかけて、トマトソースやペースト、ケチャップなどに加工すると、ローマV.Fらしい持ち味を楽しめます。
栽培では、わき芽を生かして株を横へ広げる独特の草姿にも注目したいところです。一般的なトマトとは違って広い場所が必要になりますが、わき芽を何度も摘み取る管理とは異なる育て方を楽しめます。
そして、V.Fという名前が示す耐病性も、この品種を知るうえで押さえておきたい特徴です。ただし、耐病性は特定の病害に対する性質であり、病気を完全に防ぐものではありません。
「トマトを育てて、最後は料理まで自分で作ってみたい」。そんな家庭菜園を楽しみたい方なら、ローマV.Fは育てる目的そのものが少し変わる、面白い加工用トマトです。